誠実な住民意識

世間の出来事について、住民がどう感じているかの記事です。

愛犬の死

 フレール君という犬が天国へ旅だった。彼は、私の自宅で6年、そして元嫁のマンションで6年生活をした。

 

 昨日の早朝、娘からフレールが危篤だと連絡があった。午前中に元嫁のマンションに向かい、ロビーから玄関のロック解除依頼の電話を娘にした。その電話から漏れた声をフレールが聞いたらしい。それまで、呼吸するだけで精一杯だった彼が首を持ち上げてキョロキョロと私を探したらしい。マンションのロビーから、元嫁の玄関まで私が向かうまでおよそ60秒。その間に彼の心臓は止まってしまった。

 おそらく彼は、私を待っていた。ただ私に会うために待っていたのではないと思う。自分が死んだら、元嫁や娘が悲しむ。そのフォローをする人を待っていたのだと思う。

 私たちが離婚し、元嫁もシングルマザーとして不安だったろう。娘の心も思いっきり傷つけてしまった。彼はそんな彼女たちをどれほど癒してくれたであろうか。そして、最後まで彼女たちのことをきにかけていたのだろう。

 

 東京に住む息子とその嫁が、フレールに会いに帰ってきてくれるらしい。犬を飼ったことのない人にとっては、「そんな大事か」というのが本音だろう。でも、フレールは、別れて暮らす家族の絆を最後にもう一度思い切り引っ張ってくれた。

できた犬だ。

 

 フレール君ありがとう。本当に本当にありがとう。天国で安らかにお休みください。

 

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